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*****  はくしょん、という大きなくしゃみでわたしは目を覚ました。  がばっと身体を起こすと、寒さにぶるっと震えが走る。  慌てて布団を引っ張って頭から被り、時計を見上げると、あれから1時間半が経過していた。  …あれ?今のくしゃみ、わたし…?  髪の毛に触れると、まだしっとりと湿っている。  …ドライヤーかけないと、風邪ひいちゃいそう…。  でも、こんな夜中にひとりで1階に降りるのは、何となく怖いし…。  部屋の電気を消してこのまま寝るか、それとも階下に降りようかどうしようか、迷っていると、 「はくしょん!」 「……」  わたしは凍りついたまま窓の外を見た。  ――今のは、……確かにわたしじゃない。  寒さのせいではない鳥肌が、全身を波立たせた。  ――すぐそこに誰かが居る……!  わたしは頭から布団を被ったまま、そろそろとベッドから抜け出した。  布団を引きずりながら、窓際に移動する。  そっとカーテンの隙間から外を覗くと――。  塀の上に腰掛け、こちらを窺う人影。 「きゃあっ!!」  思わず後ずさり、かかとで布団を踏んで倒れ、思い切り尻もちをつく。
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