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夕日が西へ傾くころ、4人はそれぞれの岐路に向かう。
途中まではみんな同じだったが八王子駅で帰る方向が違った。
舞と杏子、桂馬と正人で別れた。
近所の中学ということで舞と杏子は1駅しか違わなかった。
電車内でも舞のトークは止まらない。
「ねーねーどっちの方が良いと思う??」
公共の場を感じさせない興奮ようで聞いてくる。
「ん~うちはどっちもどっちかな」
「え~つまんないの。うちは断然正人君かな」
舞は正人のギャップにやられているようだ。
たしかに、正人の話には目を輝かせていた。
乗り換えてから3駅ということもあって、すぐに舞とは解散した。
電車を降りた杏子はこれから始まる高校生活に胸を躍らせた。
「なぁ・・・舞ちゃんよくね???」
「んーいいけど少しはきはきしすぎじゃね?
どっちかと言ったら杏子ちゃんの方がおしとやかでいいな。
舞ちゃん気になんのかよ?え?え?」
「はっ!?ち、ちげーよ!!そう意味じゃなくてー・・・あっ俺降りなきゃ!
じゃまたな!!」
「・・・動揺してんのバレバレ・・・へたくそかよ・・・」
少し鼻で笑い、自分の最寄駅を目指した。
夕日が顔を照らした。
「ライバルか・・・」
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