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「泣くなよ?憂」
亮が優しく声をかける
憂は重い口をひらき
「アタシの……せい……」
うつ向き涙を溢す
「……お前のせいじゃねぇよ」
笑いながら亮が答える
「どぉってコトないわよ」
晶も笑う
「……ごめんなさい……」
泣きやまない憂にそっと近づき、亮が頭をなでる
「お前の頭はホントにちいせぇな?」
亮が頭をなでればなでるほど、憂の瞳からは大粒の涙が溢れる
「いいから、……もう泣くなよ」
こうしていると
元の憂とかわらない
すすり泣く憂をながめながら、ぼんやりと昔の憂を思い出す
――もう
お前は俺を思い出さないままなのかもな
冷たい空気が3人を包み込む
空はグレーに染まり、今にも雪が降り出しそうになっていた
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