1974人が本棚に入れています
本棚に追加
――事は数時間前にさかのぼる。
授業中にメールが入ってきた。
こっそり見ると優香里からのメールだ。
最近の亮は、優香里が言っていた「あんた医者になんなさいよ」発言を真剣に受け止めていて毎日勉強に力を注ぎこんでいた。
あわよくば金にものを言わせて海外の医大に行ってやろう
くらいに思っていた。
憂が倒れてから三ヶ月ほどたっていた。
初秋の風が心地よい季節
憂が倒れて以来、人が変わったかのように勉学にはげみ、毎日病院へと足を運ぶ
憂が呼吸を続ける限り
可能性が1%でもある限り
自分に出来る全ての事を全ての愛情を、憂に注いでいた。
いつか目覚めたアイツに
今までごめん
だだ、その言葉を伝えたかった
優香里はしばらくの間日本にとどまっていたが、二週間ほどして憂の容体が悪化する危険性が少ない事がわかり、アメリカに戻っていった。
代わりに、男の同期の家庭教師を紹介してくれた。
やはり女の家庭教師とは違い、スパルタで、最初の頃は正直きつかった
しかし今では慣れてしまい、元々よかった学力は軒並み順調に伸びていっていた。
待ってろよ
憂!!
お前が目覚めてくれるなら、どんな可能性でも試してやるよ
ブラックジャックだろうがなんだろうが、俺がなってやる!
最初のコメントを投稿しよう!