目覚め

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――事は数時間前にさかのぼる。 授業中にメールが入ってきた。 こっそり見ると優香里からのメールだ。 最近の亮は、優香里が言っていた「あんた医者になんなさいよ」発言を真剣に受け止めていて毎日勉強に力を注ぎこんでいた。 あわよくば金にものを言わせて海外の医大に行ってやろう くらいに思っていた。 憂が倒れてから三ヶ月ほどたっていた。 初秋の風が心地よい季節 憂が倒れて以来、人が変わったかのように勉学にはげみ、毎日病院へと足を運ぶ 憂が呼吸を続ける限り 可能性が1%でもある限り 自分に出来る全ての事を全ての愛情を、憂に注いでいた。 いつか目覚めたアイツに 今までごめん だだ、その言葉を伝えたかった 優香里はしばらくの間日本にとどまっていたが、二週間ほどして憂の容体が悪化する危険性が少ない事がわかり、アメリカに戻っていった。 代わりに、男の同期の家庭教師を紹介してくれた。 やはり女の家庭教師とは違い、スパルタで、最初の頃は正直きつかった しかし今では慣れてしまい、元々よかった学力は軒並み順調に伸びていっていた。 待ってろよ 憂!! お前が目覚めてくれるなら、どんな可能性でも試してやるよ ブラックジャックだろうがなんだろうが、俺がなってやる!
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