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「それじゃあ落ちる前に、フレンド登録しときましょう」
「フレンド登録?」
一日掛けてみんなの性格を知ったけど、やはりと言うべきか、リビロさんは説明書を読まないのか、理解していない様子だ。
俺はマイクを手で覆って声を拾われないようにしてから、小さく溜め息を吐く。
「フレンド登録しておいたら、今後またゲームを再開する時に、登録している人がログインしているかとか、どこにいるのかが解るようになるんですよ。ログオフしちゃうとパーティーからは脱退になって、またメンバーを探さなきゃいけなくなりますから」
パーティーの場合は脱退したらメンバーとはそれで終わりなのだが、フレンド登録をしておけばそれを解除するまでは近しい関係が続く。
やっておけば今後探さなくて良いから楽だ。
メッセージも飛ばせるし。
「へぇ。よし、じゃあやっちまおうぜ!」
リビロさんの元気な声を合図に、俺達はフレンド登録を始める。
申請を出して、それを相手が了承することで終了。
了承を出すという面倒なのは、ゲーム内でのストーキング防止だろう。
居場所までバレるとなれば、ストーカーに使われてしまう。
ゲーム内でもストーカー被害はそこそこあるのだ。
何が楽しいのか。
「終了」
3人に申請を出し、3人に了承を出した。
これでフレンド登録は終了だな。
「それじゃあ僕は落ちますね。また明日もよろしくお願いします」
マリトはそれだけ言い残し、足下から出た光に覆われ、そのまま姿が消えた。
パーティーメンバーを確認すると、マリトの名前は消えている。
つまり、今のがログオフか。
「そんじゃあ俺も落ちるなぁ。お疲れぇ」
続いてリビロさんも光の中に消える。
あとは俺とーーー彼女か。
「ハルヒトは落ちないの?」
「落ちますよ。その前にショップで不要なアイテムを売って、回復アイテムか何か買いに行きます」
俺はメンバー全員がログオフーー落ちた、その確認をしてからにしたかった。
別に深い意味は無く、ただの癖だ。
そして、この場に残って2人にもにりたくなかった。
だから今である必要も無いショップへ行こうと思ったのだ。
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