第1話

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「どう考えてもあんたが悪いでしょう」 「あー、マジ反省してまーす」 「謝る気が感じられない」  いやだって俺事実しか言ってないし。むしろ真実突きつけられて怒るとか、さすがおこちゃまパンティー、歪みなきおこちゃまっぷり。  なんだったら胸元までおこちゃまだしね、くそわろりん!  何てことは口に出せないので、内心で言い放って勝った気分になっておく。  信号が青になったのを確認してから歩き出す。  それ以来、お互いに言葉はなかった。榛名はきっと土曜日の日程について考えているんだろう。この子はそういう子だ。  用意周到に、何から何までを予測して、事前に策を打つのだ。だから本当にバイトしてる間、僕は楽できるわけ。 「なぁ、榛名」 「……ん?」  ややタイムラグがあったものの、きちんと返事を返してくれた。 「おなかすいたからラーメン食べに行きましょ」  あっれぇ?じと目で見られてるのは何故だい?何故なんだい? 「はぁ……」  あ、ため息だけの時は了承の合図って僕知ってますよ。
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