第2章

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「セクハラ……聞いたことがあるぞ、女性が男性の人生を台無しにする魔法の言葉だと」  バカにした言い方ではなく、心底それを信じきっているような言い方だった。  確かに間違ってない。間違ってないけど、それって主に悪意のある女性しか成せない魔法なんだわ。  大半が正当な理由ならば男が悪いことになる。  まぁ、俺はその悪意が怖いから、電車に乗るときは両手でつり革をしっかりとつかんでます。アリバイ作りに予断がありません。  それくらいしないと、今の世の中生きていけないのよねぇ、なんとも世知辛い世の中だ事。 「なにこの人、え、怖い、さっさと行くわよ、なにしてんの」  眉間にしわを寄せて歩き出した榛名。なんで俺が悪いみたいな感じになっているのかイマイチ納得いかないが文句を言うわけにもいかない。  後々が怖いから無言で榛名の後に続く。  変態マッチョメンは、ぶつくさセクハラについて考えているようで、目を瞑り、時折首をかしげたりしていた。  なんか色んな意味で怖い人だなぁ。
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