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「なんで俺が奢るんだよ、いやだよ今財政危機だから」
「なんでむしろ奢らないのよ」
えー、なんでその返しが来るわけ?なんで俺が悪いみたいになってんの?
しまいに顎で急かし始めた榛名。こいつ……なんて女王さまなんだ、絶対に奢らない、俺の分だけしか買わないからな。
そう心に誓って、タピオカジュースだけを買って戻った。
「あー、うまい!タピオカジュースうまい!これはうまいわー!」
はっはっはっは!どうだ榛名、俺は買わないぞ、絶対に買わない。
腕組みしながら僕をにらみ、なんだこの使えないゴミクズ系男子は、みたいな表情されても買わない。
ゴミクズ系男子でもいいさ、それよりも大事なのは金だよ金、お金大事、俺このバイト代は貯めるって誓ってるからさ。
だから榛名、君には奢れないよ、彼女だったら考えた末に奢らないけど、榛名は彼女じゃないから、考えるまでもなく奢らない。
「いやぁ、乱世乱世」
「ご苦労」
って思ってたんだけどね?心に誓ったはずなんだけどね?
三体同時に分身出してきて、タコ殴りにされるとは思わなかった。
これってそこらのヤンキーとなんら変わらないよね?むしろ暴行とか、恐喝とかそういった罪にとらわれるレベルだよね?
たしかに、目の前でタピオカジュースを美味しそうに飲んでやったよ?しかもあげると思っていたであろうクレープまで食ってやった。
でもそれでタコ殴りにするかね?
まぁ、本気で殴りにかかってこなかったのが不幸中の幸い。
榛名もクレープにかじりつき、食べ歩くようにして目的地を目指す。
「チョット待って、口の中切れたみたいでイチゴを食べたら沁みて痛い」
「ツバつけときゃ治るわよ」
つまり口の中にできた切り傷だから速攻で治るんだね!おら早く治れよ!
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