第2章

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「なんで俺が奢るんだよ、いやだよ今財政危機だから」 「なんでむしろ奢らないのよ」  えー、なんでその返しが来るわけ?なんで俺が悪いみたいになってんの?  しまいに顎で急かし始めた榛名。こいつ……なんて女王さまなんだ、絶対に奢らない、俺の分だけしか買わないからな。  そう心に誓って、タピオカジュースだけを買って戻った。 「あー、うまい!タピオカジュースうまい!これはうまいわー!」  はっはっはっは!どうだ榛名、俺は買わないぞ、絶対に買わない。  腕組みしながら僕をにらみ、なんだこの使えないゴミクズ系男子は、みたいな表情されても買わない。  ゴミクズ系男子でもいいさ、それよりも大事なのは金だよ金、お金大事、俺このバイト代は貯めるって誓ってるからさ。  だから榛名、君には奢れないよ、彼女だったら考えた末に奢らないけど、榛名は彼女じゃないから、考えるまでもなく奢らない。 「いやぁ、乱世乱世」 「ご苦労」  って思ってたんだけどね?心に誓ったはずなんだけどね?  三体同時に分身出してきて、タコ殴りにされるとは思わなかった。  これってそこらのヤンキーとなんら変わらないよね?むしろ暴行とか、恐喝とかそういった罪にとらわれるレベルだよね?  たしかに、目の前でタピオカジュースを美味しそうに飲んでやったよ?しかもあげると思っていたであろうクレープまで食ってやった。  でもそれでタコ殴りにするかね?  まぁ、本気で殴りにかかってこなかったのが不幸中の幸い。  榛名もクレープにかじりつき、食べ歩くようにして目的地を目指す。 「チョット待って、口の中切れたみたいでイチゴを食べたら沁みて痛い」 「ツバつけときゃ治るわよ」  つまり口の中にできた切り傷だから速攻で治るんだね!おら早く治れよ!
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