第2章

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「先に行くわよ」 「え?」  榛名は、分身を二つだし、本体を投げた。  サーカスのアクロバティックよろしくな感じで、その草を飛び越えて、川の騎士の、背の低い雑草と、砂利によって作られたところまで飛んだ。  そこでもまた分身を作り出し、本体を受け止める。  きっちり三体、さすが榛名。使い方が上手すぎて驚いてしまうね。  で?俺はこの無駄に伸びた雑草をかき分けて進めと?はいはいわかりました。  半ばこのまま帰りたい気持ちもあるが、それでは後々が強いので、しぶしぶかき分けて進む。 「なんだよこの草は、オブュレッツァッパァ!!」  一直線に坂になっているはずなのだが、俺の想像よりも急斜面だったらしく、足を踏み外し、無様に転げ回った。  草をなぎ倒しながら、泥まみれになり、ようやく榛名の下までついた。 「だっさ」 「いやだってさ……っぺ!っぺ!」  枯れ草が俺の顔や髪にまとわりついている。口の中にまで侵入してきやがって。
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