第2章

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「ここのようね」  頭を振りながら、枯れ草を落とした後。榛名がそう言った。  俺はその視線の先に目を向ける。 「ウソだろこれ」  思わず目を見開いてしまった。なんというか、まるでさっきまでここで戦っていたかのように、臨場感を残したまま、検が大量に刺さっていた。  この橋の支柱の下。それはこの橋の幅と同じく、4車線と歩道の分の幅はある。  それほど広い場所で。こんな荒れた状況だ。  それに、これは素人目から見ても、どう考えてもつい最近のものだ。  あの新聞の記者の目はおかしいのではないか。 「すごいわね……これは……血痕?」  支柱に黒いシミのようになった。水をぶちまけたようなシミ。  奇しくも、それは近くに突き刺さっていた検にも付着していた。  支柱に突き刺さったその件を榛名は無理やり引き抜いた。  意外としっかり刺さっていたのか、榛名は引き抜いた直後に、後ろに大きく上体をそらしながら、2~3歩下がった。
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