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「お待たせ……」 電話が終わるのを待って、ドアを開ける 「……あったかい」 缶コーヒーを握りながら、降り続ける雪を眺めるラマ ナビを確認 あの信号を左に行って…… 踏切を越えて、ひとつ目の信号を右…… 大体わかったが 家の前までは来て欲しくないらしいし…… 二軒ぐらい手前で降ろしてやるか もう……ここで……と何度も言うラマをギリギリまで送る アパートの手前で停めると 「ありがとうございました……気を付けて帰ってください」 ……深々頭を下げられた 「……気にすんな それより、明日遅刻すんなよ? 長靴で来るんだぞ?」 クスリ……と小さく笑い 「はい!足に合ったブーツで行きます」 ……と、元気に返事をしてくれたので 多少、不安は消された 「階段滑るから、落ちるなよ?」 「大丈夫ですよ…… ありがとうございました ……お疲れさまでした」 道を教えてもらい、見送られた ……が 朝、ニコニコと笑顔で俺に向かって 『おはよう、純平』と、言う母が浮かぶ なぜ、今………? その顔には 腫れたまぶたと…… ………頬のアザ 「………………。」 そんな光景が、頭をよぎり …………不安になる
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