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「いや、今週は泊まってけ……
週末に送ってやるから」
「いえ、本当に大丈夫です
そんな根性ある人じゃないですし
プライドも高いから、今ごろどっかで飲んでて、私のこと散々言ってると思いますよ?」
アハハ……と、明るく笑いながら、元カレをこき下ろすラマを見て……
………思わず俺も笑ってしまい
そんな素の笑顔を見て
軽く心臓が跳ねた
人は
幸福に包まれて生まれ……
成長しながら
………悲しみと苦痛を知っていく
今の彼女は苦痛が大部分を占めている
「俺んちじゃ嫌か?」
「はい」
言い切られた……
「私、男の人に頼った結果が……
今の状態なんです
ここで、木崎さんに甘えるのは簡単ですけど、また同じことを繰り返しちゃいそうで怖いんです
明日は、さっきの内装の物件を見てから出勤します」
もしも……ってことがあるだろ?
だが………
そこまで言われると
………引き止められない
ふぅ~……
あの男のプライドに賭けよう
「…………わかった
物件には俺も行くから……
場所が悪いから、9:00に車で迎えに行くから………」
25の女だ
最低限、危険回避策はわかるだろう
不安を隠しつつ
笑顔で改札まで送ってやり…………
次の朝………
悪い予感とは『的中する』もんだと、思い知った
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