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周囲を見渡しながら、部屋に入る
20:00就寝予定は、初日から崩されている
凍えるほど寒い部屋
「………外と変わんないじゃん」
お風呂を沸かし
さっきマンションで食べようと思って買ったコンビニのおにぎりをかじる
寂しい食卓だ
別れなかったら、今ごろ
フツーの食卓だけど
味噌汁やサラダやお肉の乗ったお皿が並んでいたのに……
頭の中は行ったり来たり
一人じゃ作る気にもならない
木崎さんも一人が寂しいから、定食屋に行くのかな?
「孤独だ………」
会話もなく五分で夕飯も終わり
お風呂に入る
入浴剤……
これぐらい、贅沢しよう
少し多目に入れてみた
チャプーーーン………
たくさん稼げるようになって
どこかに引っ越したい
今、お金がないんだから
早く給料をもらって
生活を安定させなきゃだ
貧乏……って、惨めだなぁ~
掬ったお湯はグリーン
木崎さんのヘーゼルナッツの瞳を縁取る色
不思議な色の瞳に見つめられたとき
「…………ドキドキしちゃったよね」
ひとりなのに誰かに聞いてもらいたい独り言
車に引きずり込まれた時の木崎さんは、すごく怖い顔をしていた
………あの時
間近で見た瞳の色は濃いブラウン
感情で変化するのかも………
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