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その人、連れて帰ってください!
「いやいや……何事もなくてよかったですねぇ」
もう、目線は私ではなく
扉で顔が見えない彼に向かって話していた
「ご迷惑、お掛けしました
ほら、お前もちゃんと謝れ
こんな遅くに、わざわざ駆けつけてもらった
んだ……」
あなたが勝手に頼んだんでしょ?
「……………スミマセン……」
ドアの向こうで、何やら二人が話して………
頭を下げて、立ち去っていくお巡りさん
パトカーが見えなくなると………
その瞬間、ドアの隙間から手が伸びてきて、パジャマの胸ぐらを鷲掴みされ、思いっきり引き寄せられた
……ちょっ………?!
ガガンッ………
鈍い音で
ドアの枠と扉に頬と鎖骨がぶつかり
………痛みが走る
チェーンで首が擦れた
「い……痛いってば………
………お願い離して……お酒……飲んでるの?」
………苦しい
「飲まなきゃやってられないだろ?
早く開けろ……開けなきゃ、蹴り破るぞ?」
知らなかった……
お酒が入ると
この人、実はすごく危ないんだ
「………………。」
腕が緩んだと思ったら……
ガガン……と、再び引き寄せられ
同じ場所をぶつけられ……
……激痛
「ま……待って……今、開けるから」
手を離してもらい
一旦、ドアを閉める
………………やだ
………どうしよう
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