第2話 帆香と二人っきり!大丈夫私殺されない?

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 東京タワーは333メートルの高さを誇る東京の観光名所の一つである。展望台は2ヶ所設置されているが、150メートルの位置に設置されている第一展望台でも十分に高く、東京の町並みを360度一望することができる。  その足下には4階建てのフットタウンがあり、水族館などのアミューズメント施設が充実している。とくに土日には様々なイベントが行われており、観光客を楽しませている。  「本当は出来たばかりの東京スカイツリーに登りたかったんだけどね。そっちの方が高いし。でも、まだ展望台には登れないみたいだから。」  そう言って帆香と瑞稀は東京タワーのフットタウン入り口のチケットカウンターで展望台へ上るためのチケットを購入する。そして展望台へ登るためのエレベーターへと向かう・・・はずだった。  「せっかく東京タワーに来たんだから」と言って、帆香に連れて行かれたのはフットタウン屋上にある、上へと登る階段。  東京タワーのフットタウン屋上には第一展望台に登るための階段が設置されており、土曜、日曜には階段で第一展望台を目指すことができる。段数は600段。  「これからアイドルを目指すんだからこれくらい出来ないと!600段なんて余裕、余裕!」  と言うのが帆香の言い分だ。  「・・・ま、いいか。」  瑞稀も体力には自信がある方だ。いいじゃないか、挑戦してやろう。  入り口にいる係員に展望台へのチケットを渡し、帆香は勢いよく階段を上り始める。一方、瑞稀はゆっくりだが一段ずつ確実に上って行く。  「帆香ー!そんなに急いだら途中でバテちゃうわよー!」  「大丈夫、大丈夫ー!私の体はそんなにヤワじゃ無いから-!」  しかし、100段ぐらい登ったところで帆香のペースが急激に落ちる。ちなみにこの位置で高さ55メートルの位置だ。  「ほら、いわんこっちゃない。」  「こ、これくらい、余裕だと思ったのに・・・。」  帆香に気を遣いながらも瑞稀はペースを崩さずに昇り続ける。しかし、体力に自信のあった瑞稀も400段当たりでバテ始める。  「ちょ、ちょっと休憩・・・しようか・・・。」  「うん・・・賛成・・・。」  「もうちょっとでゴールですよ!二人とも頑張って下さい!」  頭の上で飛び回っているミュウが二人を励まそうと声をかける。その姿に瑞稀と帆香の二人は共通の感情を抱いた。
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