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「まず、僕の中でショタとはおとなしくて儚いのがショタだ。生意気な糞餓鬼は喰い殺したくなる。で、お前は生意気な糞餓鬼の部類だ。そんなことより大前提として、蘇らされた恨みがある」
「ええっ!?ボク恨まれてたの!?」
本気で驚いた顔してるし。逆に今までの僕の態度で気づかなかったのが驚きだ。
本当は蘇らされた恨みと言うより、僕の意思で死に直せない恨みだな。蘇りの制約のせいで僕を殺せるのは、スミノフだけだ。
恨まれてると知って本気で落ち込んでるスミノフを気にせず、街全体を見渡す。
敵である秘密結社の街。街全体が秘密結社なのだから、圧倒的な規模だ。
「スミノフ、ここの結社は何をしてるんだ?」
「ここはね、ゾンビの奴隷作りをしてるんだよ!」
ぱぁっと目を輝かせてえっへんと胸を張って答えた。
名前を呼べば機嫌を治すんだから、扱いやすい。
「ゾンビは本来、映画みたいに勝手に動き回って人間を食べて、仲間を殖やすなんてことはしないんだよね!生前の記憶がないから、従順な死体人形と機能するのがゾンビなんだよね!それで奴らは、この街の人を全員ゾンビに変えて、ここから世界征服をしようとしてるんだよ!」
世界征服ねぇ。凄まじく定番な理由だな。
眼下に広がる街を見る。ゾンビのみを焼き尽くす炎を街全体に放ったために、炎に炙られて苦しみもがくゾンビの姿があちこちで見える。
「ボスの数子って、どんな奴?」
「血女だよ!いたいけな少年青年ばかりを狙う血女!弄ばれて奴隷にされちゃうんだよ!許せないよね!」
「それは……確かに痴女だな」
「でしょ!?奴隷にされちゃったら主人を殺すしかないんだけど、死ぃちゃんがいるからね!」
「……?」
「死ぃちゃんが少年青年の血を飲めばいいんだよ!食べちゃダメだけど!死ぃちゃんなら血女の毒を吸い出せるから!」
「ところで、あいつらは喰っていいのか?」
僕らを包囲していたつもりであろう敵の部下の化け物達が、銃で撃ってきた。
その全ての弾丸をきかん坊で撃ち落としつつ、身体で受け止めながらスミノフを守る。てか、魔法じゃなくて銃なんだな。
元々死体だから死なないし、しかもすぐ回復するし、痛みを感じないんだから、便利な身体だ。
死体なのに身体能力化け物並だし。床を蹴っただけで、三メートル先の敵の背後に着地する。着地したと同時に、攻撃にかかる。
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