最上 啓祐 その1

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 全員が絶句していた。今まで気づいていなかった人たちも自分たちの首筋を触って、ひぃ、と小さな悲鳴をあげてすぐに押し黙る。騒ぐと殺されるかもしれない、そう思ったのだろう。 「ぼくたちに何をさせる気だよ」  学級委員長の遠池が言う。おそるおそると言った感じだった。 「ですから、言ったように『努力』か『怠惰』か選んで下さい。『努力』を選択する人は、隣の部屋へどうぞ」
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