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がんばる、か…。
わたしはため息をついた。
……どうがんばったらいいんだろう。
春山先生と、まるで家族のように親密な関係を築いている月子ちゃんに、いったいどう頑張れば太刀打ちできるんだろう。
…もしかしたら今頃二人は、春山先生の実家で仲良くテレビでも観てくつろいでいるかもしれない。
みかんとか、食べて…。
一緒に、こたつに入って…。
こたつ…。
二人で、ひとつのこたつに……。
「……」
……春山先生……。
――お願いだから、今すぐそのこたつから出て……っっ!
自分の想像が引き金になり、妄想が次から次へと湧き上がって、頭から湯気が立ち昇りそうになる。
もやもやと浮かぶその妄想の一つ一つをぺしぺしと叩き落としながら、わたしは泣きたい気持ちになっていた。
だめだなあ、わたし……。
先生のこと信じてるとか言いながら、全く信じ切れてない。
どうしようもなく、へなちょこだ。
このままだと、このもやもやに埋もれて窒息してしまうかもしれない。
自分の妄想に埋もれ、窒息死……。
絶対、成仏出来なさそう……。
わたしは仕舞いかけた携帯を、もう一度開いた。
死ぬ前に、はるきちにメールでもしてみようかな。
ドキドキしながら、新規メールのページを開く。
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