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「見間違いじゃない?」  彩加のあっさりとした返事に、わたしはぐっと言葉を詰まらせた。 「…かなあ…」 「そうだよお。…ん?なんか、曲がっちゃった…。まいっか」  彩加は薄い紙で作った花を、ぽい、と足元のカゴに放り込んだ。    今日は4時間授業だったので、わたしたちは少し長めの放課後を文化祭の準備に充てていた。  うちのクラスでは、『学園7不思議』の上映会場で、飲み物だけを出す『7不思議喫茶』もオープンすることになっていた。  その店内の飾り付けやウエイトレスの衣装作りなど、かなり仕事は多かった。  本来、わたしたちは撮影班なので、喫茶のほうの事前の雑務は免除されるはずだったのだが、編集などを全てヒロシとトモコに任せてしまっている手前、遊んでいるわけにもいかないので、こうして他の係の仕事を手伝うことにしたのだった。  
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