1149人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
キスのあと、わたしがぼんやりと先生の顔を見つめていると、…先生はわたしの前髪に、そっと唇を寄せた。
「先生…」
「…ん…?」
柔らかな、澄んだ声。
毎朝、…クラスメイト一人ひとりの名前を呼ぶ、…優しい、声。
このまま先生の顔を見ていたら泣いてしまいそうで、…わたしは目を伏せ、呟いた。
「はやく、卒業したい…けど、…ずっと、卒業、したくない…」
「……」
先生は、わたしの頭を片手で抱き寄せた。
そして小さく、そうだね、と囁いた。
最初のコメントを投稿しよう!