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『お聞きいただきました曲は、「ミー」さんからのリクエストでした。「ミー」さんの恋が実ること、祈ってます。がんばってくださいね。
さて、次のコイバナに移る前に、…ここで、紹介させていただきたい人がいます。
わたくし、椎名萌の引退後、金曜の「恋パラ」を引き継いで放送してくれることになった、加賀月子ちゃんです!』
『はじめまして、よろしくお願いします』
『よろしくお願いします。
それでは月子ちゃん、簡単な自己紹介をお願いします』
『はい。2―Dの加賀月子です。
中学まで、新体操をやっていました。趣味は読書と、料理です。
雑貨屋さんめぐりも、好きです。放送部には、萌先輩に憧れて、入部しました』
『……えっ』
『……はい?』
『あ、……それは、う、嬉しいですねっ。…あ、…ごめんなさい、続き、どうぞ』
『以上です』
『……あ、はい。…ありがとうございました。えっと、…それでは、次の相談に移りましょうか』
『先輩、その前に…』
『…あ、そうでした、ごめんなさい。
…それでは、その前に、一曲、お聞きください――』
曲をスタートし、マイクの電源を切ると、わたしはずっしりと肩に重みを感じ、小さく息を吐いた。
…やりずらい…。
目を上げると、向かいの席に座る月子ちゃんは、涼しい顔で原稿を眺めている。
ブースの外に目をやると、更科くんがニヤニヤしながら、カンペを向けていた。
『ボロボロだよ、萌。ファイトー』
…はい。頑張ります…。
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