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『少し遅れるかも』
「あ…」
思わず声を上げ、わたしは口元を押さえた。
嬉しさに頬をほころばせ、再び返信する。
『バス停で待ってます』
返信メールを見ると、…先生はフッと笑って、こちらに目を向けた。
「おつかれ」
「…お疲れさまです…」
先生の顔が引っ込み、階段を上がる足音が遠のいて行くのが聞こえる。
…先生…。
…もう…ほんとに…。…大好き…っ。
あ、…どうしよ……。顔が原形とどめられない…。
わたしって、…すっごく、簡単…。
ふやけたようになった顔を伏せ、わたしはさっきとは打って変わったウキウキの足取りで、階段を降りた。
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