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 …春山哲哉…。  これ、反則だってば…。  わたしは学ラン姿の先生の写真を見つめながら、うっとりとため息をついた。  相当カッコイイことは予想していたけれど…。まさかこれほどまでとは…。  わたしが開いたページには、ブルーバックの個人写真が、バランス良く並べられていた。  腕のいい写真屋さんに笑わされたのか、他のクラスメイト達が楽しそうに笑顔を浮かべる中、…先生だけは、少し照れたような真顔。  寂しそうな瞳が、…たまらなく、放っておけない気持ちにさせる。  その時、ごそ、と動いた先生の足が触れ、わたしはぴく、と現実に引き戻された。  見下ろすと、すぐ脇には、…横になり、ひじ枕をしてテレビを見る、先生の背中。  ……。  …こたつ天国という言葉があるならば、まさにこの状況のことだと思う。  先生と二人で仲良くこたつ。  しかも、…こんなに広いのに、…同じコーナーに…。 「…椎名、…ちょっと、せまい」 「あ、すみません…」  わたしはおしりをじりじりと動かし、端に寄った。  …って…。先生が、後から入って来たのに…。  身体が触れるたびにドキドキしているわたしのことなどお構いなしに、先生はさっきからずっと、背中を向けたままテレビに観入っている。
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