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 何気なくほかのクラスメイト達の顔を眺めているうちに、わたしは見知った顔を見つけた。 「…あ、先生。…大樹さん、3年生の時、同じクラスだったんですね。」 「…うん。…2年の時からね」  大樹さんはここでも春山先生の左隣をキープし、誰よりも嬉しそうに、目一杯の笑顔を浮かべている。  その顔は、今でもほとんど変わっていないように見えた。 「野球部だったんですよね、大樹さんて。…称美って、この頃から野球、強かったんですか」 「うん。…3年の時、大樹がエースを務めて、甲子園、行ったよ。ベスト8まで、勝ち上がった」 「えっ!…すごい!!」 「めちゃめちゃいいピッチャーだったよ。…今は、あんなだけど」  背中を向けられたままだったので、表情は窺えなかったけれど、…先生が優しく微笑んでいるのが分かった。  まだ二度しか会っていないわたしから見ても、…大樹さんと先生との間には、とても暖かなつながりを感じる。  きっと二人は、口に出さなくてもお互いを分かり合える、本物の親友同士なのだと思う。  先生の高校時代を知る大樹さんの事が、何だか羨ましく思えた。
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