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*****  HARUYAMA、とローマ字で綴られた大きな表札は、どういう仕組みなのか分からないけれど、内側から当てられた光がぼんやりと文字を浮かび上がらせる、モダンなデザインだった。  見上げると、数段の階段を上がったところに建つのは、白い壁の、大きな家。  そしてその大きな窓からは、暖かそうな暖色系の灯りが洩れている。  門の内側に手を伸ばし、カンヌキを外すと、先生は門扉を開けてわたしを促した。 「どうぞ」 「…はいっ…」  わたしは緊張で強張る身体を、ぎこちなく門の中に進めた。  玄関前に立ち、インターホンを鳴らしてから、先生がわたしを見下ろした。 「そうだ椎名」 「…はい」 「うち、動物のオスがいるから」 「…え?」 「放し飼いしてるから、触られたりしたら言って。すぐに隔離するから」 「…?…はい…」  ドタドタ、という足音が聞こえ、続いてカチリ、と鍵を外す音。  ガチャ、とドアが開いて顔を出したのは、 「おかえり、哲にぃ」  小学生くらいの男の子が、ぴょんと春山先生に飛び付いた。  満面の笑みを浮かべ、先生の身体にぎゅっとしがみつく。
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