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メールを開いて、わたしは、えっ、と声を上げた。
『ナマ物のお土産があるので、裏の公園まで来てください』
メールの届いた時間を見ると、…11時08分、となっている。
ナマ物って……なに?寿司、とか…?
わたしは部屋の時計とメールの着信時刻を見比べた。
…1時間半も前だし、…まさか、もう、いないよね…。
少し迷ってから、わたしは携帯をベッドの上にポン、と置いた。
そろそろ勉強を再開しなければ。
机に向かって、シャーペンを手に取る。
ノートをめくったところで手を止め、わたしはため息をついた。
――まったく……。
いつも勝手なんだから……っ。
わたしは立ち上がると、コートを羽織りながら小走りで部屋を出た。
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