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「み、美羽?」
智は私の行動を不思議そうに見ていた。
「ねえ智。やっぱり私達ダメ?もう付き合えない?」
私は智に聞いてみた。
それはまだ別れる事が実感できないからだ。
智と別れたくないから。
もしかしたらその好きな子と別れるって言うかもしれないし。
私と結婚したいって言ってくれるかも…。
そう言って。智。
…ってそんなわけないよね。
「ゴメン。別れて欲しい」
智は想像した通り、申し訳なさそうに「それは無理」という顔をした。
その顔を見た時にもう元に戻れないんだなって痛感した。
「…もういいよ。私帰る」
私は「はぁ」と溜息をつき、そう言うと席を立って店を出た。
別れが決まった今、智がどんな顔をしているのか見る事もなく。
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