2010人が本棚に入れています
本棚に追加
智と別れてから数日、約束の日はやってきた。
私は覚悟を決めて母親からの電話を受けた。
「美羽、約束の日になったけど結婚相手連れてこれそう?」
電話の向こうの母親はどこか嬉しそうな感じがする。
それは彼氏がいてもいなくても結婚と言う未来が決まっているからだ。
母親は25歳を過ぎたあたりからやたらと結婚を薦めるようになった。
できるなら20代のうちにって言うけど、まだ独身の友達だって多いんだから。
それに私は全く結婚に対して興味がなかった。
そのうち30歳になった時も智と付き合っていたから、母親がうるさく言っても軽く聞き流すようにしていた。
だって彼氏いるから大丈夫だもんって。
いつでも連れて行けるって。
そんな私の態度に母親は「じゃあ、半年後に結婚相手を連れて来れなかったら私の薦める人と結婚しなさいよ」って言ってたけど、智を連れていけばいいと思ってたから軽く受け流してた。
それなのに…差し迫った時に別れるなんて。
最初のコメントを投稿しよう!