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「そういう問題じゃねえよ。こんな時間に外出歩くの危ないだろ?」
「危なくないよ。もうこの年齢になると誰も声かけてくれないし」
もう若くないんだし今さら声なんてかけられるわけがない。
それにきっとコウも「そうだな」とバカにするだろう。
そう思ってたのに…。
私の予想しない言葉を口にした。
「…………お前、そんなに飲みたいの?」
しばらくの沈黙したかと思うとコウは呟くように言った。
その声はさっきまでの勢いはない。
私はその反応に驚き気持ちが少し冷めてきた。
ちょっとやりすぎたかな?
「うん。飲みたい。っていうか飲み足りない」
「…わかったよ」
「ん?」
「今から迎えに行くから、そこで待ってろ」
コウは「はぁ」と溜息をつくとそう言い電話を切った。
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