決断

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「ほら行くぞ」 私はそーとドアを開けると、コウがいた。 この前会った時のスーツ姿とは違い、ジーパンにTシャツ、パーカーを羽織ったラフな格好だった。 コウはこういう格好も似合うなぁと思いつつも心はハラハラしていた。 だってその顔はムスッとしていたから。 …やっぱり怒ってる。 こんな時間に迎えに行くなんて彼女でもないんだし、ありえないはずだ。 …どうしよう。とりあえず謝らないと。 「ごめん。…怒ってる?」 私は上目遣いにコウを見ながら言った。 怒ってると思うとまともにコウの顔を見ることができない。 だからすぐに下を向いた。 絶対に怒ってる。怒られる! 私は目をぎゅっと閉じると体を身構えていると意外な言葉が頭の上に降ってきた。
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