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「何言ってるの?やだよ」
「一晩だけだからさ」
「ムリムリ」
「美羽、慰めてくれよ」
そういうと智はグイッと私の腕を掴んだ。
…勘違いしている。
きっと智は私がまだ好きなのだと思っているのだろう。
だから慰めてくれると思うのだろう。
でも私は智の事は何とも思ってないし、池上さんの代わりなんかしたくない。
とにかくこの密着がすごく嫌で、怖かった。
「離してよっ」
私は必死に引き離そうとするけど、智の力が強くて離す事が出来ない。
そのうち会社の皆が追いついてくる。
たぶん皆から見れば酔っ払いがじゃれ合っているように見えるかもしれない。
でもそんなんじゃない。こんな姿見せたくない。
…どうしよう。
私が困っていると後ろから聞き覚えのある声がした。
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