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「華ちゃんっていい子だな」
家に着きリビングのソファーでのんびりしていると缶ビールを2本持ったコウが隣に座った。
そのうち1本を「んっ」と私に手渡す。
私は黙ってビールを受け取り蓋を開け、コウのビールに乾杯のように軽くコツンとすると一口飲んだ。
そして天井を見ながら言った。
「そうなんだよ。凄くいい子なんだよね。もっと早く教えておけばよかった」
「結婚した事?」
「うん。隠すつもりはなかったけどなんか言いだせなくてね」
「ふーん」
「なんか悪い事した気分」
「…別に向こうはそう思ってないんじゃねえの?」
「そうかなぁ」
私はビールを口にしながら華ちゃんの事を思い浮かべた。
確かにコウの言う通り何とも思ってないかもしれない。
月曜日はケロッとした顔でいつものように接してくるだろう。
でも私は華ちゃんには隠し事をしないようにしようと思った。
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