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「優しい?」
「お前に甘えたかったんだよ」
「そっか。じゃあ悪い事したかな?思いっきり拒否しちゃった」
私はそう言うと「ははは」と笑った。
「いいんじゃねえの?その方がそいつの為だよ」
「うん」
「でもお前凄いな。あんなにハッキリと離してって言ってたもんな」
「え…そんな所から見てたの?っていうかなんでいたの?」
「ああ…俺の会社近くだから。帰りに見かけたんだよ。だから声をかけた。それだけ」
「それだけでも良かったよ。コウがいなかったらどうなってたか…」
と言った瞬間、さっきの智を思い出して自分の腕を触った。
智の力の感触が戻ってくる。
掴む力が強すぎて私一人では離す事が出来なかった。
もしコウが来なかったらどこかに連れて行かれたかもしれない。
そう思うとゾクッとした。
そして体中がブルブル震えだす。
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