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「…おい。もういいだろ?」
後ろから声がしたので振り向くと料理を手にしたコウが立っていた。
その顔はムスッとしていて怒っているようにも見える。
「おっ噂をすれば小林くん」
同僚はコウを見るなりニヤリとして言った。
コウはそんな同僚に更にイラッとした顔をして奥を指差しながら言った
「お前の嫁さんが向こうから見てるぞ」
同僚は一瞬奥を見ると「ヤバイ」と小さく呟き、肩を竦めながら言った。
「確かに見てるね。わかりました行きますよ。それじゃあまた今度ゆっくり」
「あ…はい」
私がそう答えると同僚は軽く会釈をして手をひらひら振りながら歩いて行った。
「ったく。ペラペラ喋りやがって」
コウは同僚がいなくなると呆れたように言った。
そして料理が入ったお皿を私に手渡した。
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