1632人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ…ごめん。謝らせるつもりで言ったわけじゃないから」
早坂さんは私が謝った事に驚いたのか慌てて言った。
「でも」
私は顔を上げて、早坂さんの目を見た。
だってきちんと謝りたかったから。
でも早坂さんは私に言わせる前に話し出す。
「俺さ思っていることは口に出したいタイプなんだよ。あー言えてスッキリした」
早坂さんはそう言うと両腕を上げて大きく伸びをした。
そしてストンと下げると爽やかな笑顔で言った。
「それに幸せを壊してまで奪う度胸もないからね」
その顔に嘘はなくいつもの早坂さんそのものだった。
本当に伝えた事でスッキリしたのだろう。
「…」
でも私は何を言えばいいのかわからなくて早坂さんをぼんやりと見ていた。
すると早坂さんは視線を外し、遠くを見ながら言った。
最初のコメントを投稿しよう!