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「あ…」
智も私を見て驚いたようにただ立ち尽くしていた。
驚いてるというか会いたくない人に会ったような感じにも見える。
それは私も同じだ。
とにかく嫌な空気が二人を包んでいた。
智とはあの歓迎会以降、一度も話してない。
そりゃあ、あんな事があれば気まずくなるのもあたりまえだ。
結局コウの出現でその場は助かったが、智とはギクシャクしたままだった。
私はまた同じ事をされるのかと不安に思い、どうしたらいいのか困っていると智から声をかけてきた。
「飲み物?」
「あ…うん。智も?」
「ああ」
智はそう言うと私の前を通り過ぎ、飲み物を取り出している。
私は何もされなかった事に安心しつつも先に戻っていいのか迷っていた。
でも一緒に戻る気にもなれない。
だから一声かけて先に戻る事にした。
「私、先に戻るね」
「なぁ」
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