1632人が本棚に入れています
本棚に追加
「私、もう大丈夫だから」
「そっか」
智はそう言うと微笑んだ。
その顔は大好きだった頃の優しい智の笑顔だった。
良かった…私の気持ち通じた。
自分の気持ちが通じたと思うと安心したけど、同時に私達の関係も終わったんだなと確信する。
でもだからといって寂しくはなくて、清々しい気持ちだった。
「だから智も幸せになって」
「ああ…美羽…さんもな」
「美羽さん?何それ?」
美羽さん?
今、さん付けで言ったよね?
私はその言葉に驚き、目を丸くして智を見た。
「まっいいだろ。もう彼女じゃないんだし」
「…そうだけど。なんか変」
変だよ。だって付き合っている時一度も言われた事ないのに。
それが別れた途端に美羽さんだなんて。
すごい違和感。
最初のコメントを投稿しよう!