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「あのさぁ。悪いけど俺、あんたに教えるつもりないから」
「どうして？」
コウの言葉に池上さんの動きがピタッと止まる。
その隙にコウは池上さんから離れた。
池上さんは目を丸くして驚いた顔でコウを見ている。
「だからあんたとそのつもりはないって言ってるの」
「もしかして奥さんの事を気にしてます？私、大丈夫ですよ。構いません。だから…」
「構わないって、あんたバカだろ？」
コウは池上さんが言い終わる前に遮るように言った。
「バ、バカ？」
池上さんは眉間にしわを寄せながら言った。
「あんたさぁ、男がみんなそう言って喜ぶと思ってんの？」
「な…何よ」
もうこの時の池上さんはコウに迫っているようには見えなかった。
すごく怖い形相でコウを睨んでいる。
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