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「まぁ体だけの女だって喜ぶ奴はいるかな」
「体だけ…」
池上さんはそう言うと悲しそうな顔をした。
今にも泣きそうな顔をしている。
「だってそうだろ?奥さんがいても構いませんって『浮気しましょう』って言ってるようなもんだろ」
「もういいわよ!あなたみたいな人こっちから願い下げだわ」
「ああ大丈夫。俺、あんたに興味ないし。タイプでもないから」
「…」
「でもまぁこんなあんたでも想っている奴がいるんだよ。一度は付き合ってたんだろ?まずはそいつとちゃんと向き合ってみたら?」
コウはそう言いながら指差す。
指差した方には智が心配そうに池上さんを見ている。
池上さんは智の視線に気がつくと黙ってコウから離れていった。
智はそんな池上さんを追いかけていく。
そして追いつくと何やら話をしていた。
何を話しているのか、ここまで聞こえてこない。
ただわかったのは…二人は向き合おうとしている事。
私はそんな二人が上手くいくといいなと思った。
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