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駐車場までは砂浜を歩いて行かなければならなかった。
砂はサラサラでサンダルだったから歩きにくい。
私がもたもたしているとコウは立ち止り私を見ながら言った。
「お前本当にバカだな。ほら掴まれ」
コウはそう言うと私の手をぎゅっと握る。
そしてまたゆっくりと歩き出す。
まるで歩きづらい私に歩幅を合わせてくれるように。
繋いだコウの手は優しくて温かくて。
私はドキドキしながらこの手を繋いでいられるのがすごく嬉しく思えた。
手を繋ぎながらさっきのコウを思い出していた。
それにしても池上さん程の美人を断るなんて…。
確かタイプじゃないって言ってたよね?
そう言えばコウの好きなタイプってどんな感じなんだろう?
一度も恋愛の話ってした事なかったから聞いてみたくなった。
「…ねえコウの好きなタイプってどんな感じ?」
「はぁ?」
「だって池上さんみたいな美人じゃなかったらどんな人なのかなって思って」
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