序章

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ーーーーー二度とは聞かせない 沖田は意味を含んだ笑みで男を見る。 その冷酷な笑みは…まさに氷。有無は言わせない。 「し、し、知らんけども…15くらいの女子(おなご)や!なんや面妖なもんきとった!」 「面妖な着物…?」 沖田は川面に再度目をやる。その“面妖な着物”とやらを見てみたいのだ。 ーーーもしや、異人か? いや、異人ならば一人で異国を出歩き、ましてや川に落ちるような真似はしない。 ……それに…もし異人なら、沖田達を目の敵にする“あいつら”が嗅ぎ回るだろう。 異人にしろ上代の民にしろ、早く助けねばならない。 「あんた…刀、持ってて」 「ちょ、えっ…!」 状況を把握しきれていない男に半ば強引に刀を預けると、沖田は欄干から勢いよく川に飛び込んだ。 「あ、あんたなにして……!!!」 ざわめく民衆をよそに、沖田は流れが激しい鴨川を潜る。 砂と泥で濁る川では、人影は見当たらない。 異人らしきものも見当たらないし、第一自分がどこにいるのかも分からない。 上がれば遥か沖合、何てこともあるかもしれない。
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