コウと孝

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コウとデートすると決まってから、やたらとテキパキと動いていた。 掃除や洗濯。 いつもなら面倒くさくてやる気になんかなれないのに、今日は違う。 だってねー。 コウとデートだもんね。 うふふ。なんか凄く楽しみ。 そう思うと家事も楽しくなってくる。 「そんなに飯食いに行くの楽しみなのか?」 支度を終えたコウがリビングに来るとソファに座りながら言った。 私はその言葉にピタッと動きが止まる。 コウを見るとニヤニヤとバカにしたような顔で私を見ていた。 …えっと。 そりゃあお昼ごはんも楽しみだけどさぁ。 私、あんたとのデートが楽しみなんですけど。 コイツ本当に私の気持ちがわかってない。 でもそれを言うのもなんか悔しいし。 だから私は気付かれないようにニコッと笑うと言った。 「そうそう。結構有名なお店だからね」 私はデート気分なんだけど。 コウからしてみれば、ただの買い物なんだよなぁ。
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