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コウが部屋に戻るとまたリビングは静かになった。
でもさっきまでとは違い、家にコウがいると思うと寂しくは感じない。
仕事忙しいのに私の為に早退してくれたんだよね。
心配してくれたんだよね。
そう思うと顔がニヤニヤしてしまう。
なんか嬉しいなぁ。
私はソファに座ると外をぼんやりと眺めた。
季節は秋のはずなのに空は真夏のような快晴で暑い日差しが窓に入ってくる。
今年は季節が進むのが遅いのか、夏のような陽気が続いている。
私がぼんやりと外を眺めているとコウの声が聞こえてきた。
「だから部屋で寝てろって言っただろ?」
コウは呆れた顔をして私を見ていた。
「あ…どうしたの?」
「喉が渇いたから飲み物取りに来た」
そう言うとコウは冷蔵庫からペットボトルを取り出した。
そして私の隣に来たかと思うと額がヒヤッとして体が震えた。
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