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コウと友達になろうと決めた夜、私は沢山の涙を流した。
身体の全ての水分を出し切るように、コウへの想いを断ち切るように泣いた。
涙は流したけど、コウへの想いは断ち切れなくて。
まだまだ時間が必要だと思った。
だからコウとちゃんと話が出来るのか、コウの顔を見る事が出来るか不安だったのに。
それなのに…。
なのに今、目の前にコウがいる。
しかもここは……私の部屋。
「は…は…ハクション」
私はベットの中で思いっきりくしゃみをした。
その瞬間、悪寒を感じて全身が怠くなる。
するとコウは呆れた顔をしながら、私の額を触った。
「ったく…ずぶ濡れで帰ってくるからだろ。熱高いな」
コウの手はひんやりとしてて気持ちいい。
気持ちはいいんだけど、コウの呆れた顔に恥ずかしくて布団を口元まで被った。
「すいません」
私はコウに聞こえないくらい小さな声で呟くように言った。
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