優しいぬくもり

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「ささっ早く食べなよ。お腹すいたでしょ?」 私は部屋着に着替えたコウがキッチンに来るなり声をかけた。 「ん」 コウはそう言うと椅子に座り夕食を食べ始める。 私はそんなコウをビールを飲みながら見ていた。 …コウって帰りがどんなに遅くなっても家でご飯を食べるんだよね。 連絡くれればいいんだから、外で食べてきてもいいのに。 でも私が作るご飯を毎日食べてくれるって事は美味しいって思ってる? だとすごく嬉しいんだけど。 もっとレパートリーを増やして色んなものを食べてもらいたい。 コウが美味しいって喜ぶ姿を想像していたのに…。 「ったく。熱が下がった途端にビールかよ」 コウは私を見ながら呆れた顔をしていた。 どうやらビールを飲んでいる事に呆れているようだ。 「そうだよ。でも今日は1本だけにしておく」 確かに熱が下がった途端にビールって良くないのもわかる。 体調が完全になるまでは飲まない方がいいのもわかる。 でも飲みたかったし、胃の調子も悪くないから1本にしておこうって思ってた。
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