優しいぬくもり

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「まっいいけど。あまり無理するなよ」 「わかっているって。でもコウこそ仕事忙しいんだね」 「納期近いからな」 コウがそういった瞬間、昨日やってた仕事を思い出した。 「それって昨日やってたやつ?」 「そっ」 昨日見たのは温かみのある色合いでグラデーションされたものだが、まだ途中だったから何を作っているのかわからない。 あれは何だろう? 気になったから聞いてみる事にした。 「あれは何?」 私が聞くとコウはクッキーの包装紙に貼るシールだと教えてくれた。 そのクッキーを販売するカフェは超有名店で、もちろん私もよく使っている。 コウが担当しているデザインは今度新発売するものらしい。 でもこんなに身近なものにコウが携わっているなんて凄い。 私はコウの仕事なのに自分の事のように興奮していた。 「すごーい。コウの会社ってそういうのやってんだ」 「仕事だからな」 コウはそんな私とは逆に当たり前のように言う。 どうやら大したことがないみたいだ。
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