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ずぶ濡れで帰った翌日、私は久しぶりに熱を出した。
熱なんてどれくらいぶりだろう?
あまりにも久しぶりすぎて驚いた。
朝、起きた時から頭がぼんやりとしていた。
起き上がると全身が怠いし風邪でもひいたかな?って思った。
でも大丈夫って思って朝食の準備をしようとした瞬間、頭がぐらりときてその場に座り込んでしまって。
丁度その時にコウも起きてきて、そんな私を抱きかかえるように部屋に連れて行ってくれた。
あの時のコウ顔…すごく驚いてた。
コウは私をベットに寝かせると、てきぱきと体温を測ったり解熱剤やアイスノンを用意してくれた。
会社は身体も怠いし熱は38度あるから今日は休むことにした。
「熱もあるし、今日はゆっくり寝てろよ。じゃあ行ってくるから」
コウは私の頭を撫でながら言った。
まるで子供の頭を撫でるように。
「うん…行ってらっしゃい」
コウは私の返事を聞くと微笑み鞄を持って部屋を出ていった。
私はそんなコウをベットから見送るしかできなかった。
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