第零章 夢と現実。

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02 王都シュバリエイツ  無事に王都に入国出来た青年は服飾店で最低限身嗜みを整えた。全身黒のトータルコーディネートは見るから怪しい人だという白い眼で見られながらも青年は全く気にしている様子なくギルド本部を目指していた。  王都へは初めて来たはずなのに町の造りにはどこか見覚えがあり、若干のデジャブを感じた。  それを気にしていても何が始まるというわけでもなく青年は町を楽しみながらギルドの本部へと足を運んだ。  ギルドへ到着する頃には気前のいい屋台のおじさんから大量の食糧を貰い、両手を埋め尽くしていた。  本部への入口でそれらを仕舞うと、青年は入口を潜る。 「あれ?見ない顔ですね。何かお困りごとですか?」 「いえ、証明書の作成をしたいんですが」 「それでしたら、入口横の階段を上がって6階に受付のフロアがありますので」  正面玄関にいた受付嬢に礼を言うと青年は階段を上がって6階へ進む。 「捨て子なのかな?彼」 「どうしたんですか?先輩」 「ほら、あそこに立っている彼。1階にいるミヤさんから連絡あって……これからそっちに人が行くからって。全身黒い服をきた青年って言ってた」 「だったら彼じゃないですかぁ?」  青年はこちらを見て何かを話している受付嬢がいるのに気づいた。 「証明書ってここでいいんですよね」 「ひゃ、ひゃい」 「え、え~と。何か変なこと言いました?」  まだ十代くらいの受付嬢はいきなり声を掛けたわけでもないのに驚いたような声で返答した。 「すみません。彼女まだ見習いみたいなものでして。本日は証明書の作成ということでよろしいですか?」 「お願いします」 「ところで、本日は武器か何かをお持ちですか?」 「武器……ですか?」  何故そんなことを聞かれたのかいまいち理解することが出来ず、青年は聞き返す。 「証明書を製作する際に、一緒にギルドカードも製作することになっていまして。軽く実力を見てギルドランクを決めておりますので」 「武器……大丈夫ですよ」  一応は持っていますので、と一言。
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