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「ごめんね、わたし今日、イジワルなことばっかり言って…。
ほんとは白井さん、…警察で色々言われて、いっぱい傷ついたと思うのに…。
白井さんが茶化してばっかりいるから、何となく、元気出してって言うタイミング、掴めなくなっちゃって…。
優しい言葉、掛けてあげられなくて、…ごめんなさい…」
「…大丈夫だよ」
白井さんは笑って、
「仕事柄、人間扱いされないことは慣れてるんだってば。
警察で苛められたくらいでいちいち傷ついてたら、やっていけないよこんな仕事」
明るい口調に、逆にわたしの胸は苦しくなる。
無実を訴えても信じてもらえずに、留置場で朝を待つなんて…一体、どんな気持ちなんだろう。
――きっと、この人は――。
今回のことを人に冗談めかして語ることはあっても、本当につらい部分は自分の中の中に閉じ込め、一人で片付けてしまうのだと思う。
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