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「単刀直入に言うわね。彼にアメリカに来て欲しいの」
理沙さんは真っすぐに私を見ながら話した。
その瞳は強い意志を持っていて、今にも私を飲みこもうとする。
私はアメリカと聞いてこの前のプレゼンを思い出した。
確か勝ったら4月からアメリカでの作業になるってコウが言ってた。
そのプレゼンに理紗さんは勝ったんだから当然アメリカに行く事になる。
「アメリカ?…この前のプレゼンの?」
「あら、知っているのね」
理沙さんは私に言葉に意外そうな顔をした。
きっとコウとそう言う仕事の話はしないと思ったのだろう。
私はそんな理沙さんの態度にイラッとした。
何よ!その言い方、まるで上から目線で。
絶対に私をバカにしている。
私だってコウと仕事の話しするんだから。
「コウから聞いているから」
私は視線を外すと唇を少し尖らせて言った。
な、何この人。なんかムカつく。
ああ。もう早く帰りたい。
でも理沙さんはそんな私の気持ちはわからないのだろう。
逆撫でするようなとびきりの笑顔をすると話し出した。
「じゃあ話は早いわ、彼をパートナーとして迎えたいのよ。だからあなたに協力して欲しいの」
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